数年前からサッカー界でよく聞く「偽9番(フォルス9)」という言葉。
リバプールの偽9番といえば、ブラジル代表のロベルト・フィルミーノ。
偽9番の歴史は長く1970年代からも存在していたみたいなのですが、近代サッカーにおいてはローマのフランチェスコ・トッティ、バルセロナのリオネル・メッシが有名です。
ただ、両選手とも別のポジションでも活躍しており、どちらかというと戦術変更によってそのポジションを担当していました。
対するリバプールにおいての「偽9番」に関しては、クロップが就任してフィルミーノをセンターフォワードのポジションに配置してからはずっと続いており、ここ数シーズンのリバプール躍進のキッカケになった重要な戦術です。
とくにWGにサラーやマネなどの得点力があるアタッカーがいる中で、リバプールのセンターフォワードの役割は非常に難しい部分があります。
自分が点を取ろうとすると、他のアタッカーとスペースが被ってしまうので、中盤に下りながらスペースを作る動きが重要になります。
また、リバプール独特なゲーゲンプレスにおいてのファーストディフェンダーであり、守備のスイッチは彼から入りことが基本です。
攻撃においては抜群のスペースメイキングで他の選手が動きやすくなり、守備においてはスイッチを入れる役割。
おそらく、世界一「気のつかえる」サッカー選手だからこそ、我が強い他のアタッカー陣とも上手くやっているんだと思います。
そんなリバプールに欠かせないフィルミーノに謝りたいのは、、
昨シーズンチームの不調やフィルミーノ自身のスランプによって全く点が取れなかったときに「ストライカーを獲得してほしい!」と何度も思ったです!!笑
(たしかに昨シーズンは不調でしたが、、)
ただ、今シーズンの彼の活躍を目にすると、それは一時的な不調であり、彼以外にあのポジションを任せられる選手はいないのだと強く感じました。
フィルミーノの偽9番としての役割は他の選手では代わりになれず、過去にCL準決勝のバルセロナ戦でワイナルドゥムが担当した際のエピソードについて、アシスタントコーチのリンダースが語っていました。
「我々は昨季バルセロナと対戦した際、ジニがストライカーの位置に入った。0-3で敗れはしたが、彼は良いプレイをしたよ。だがドレッシングルームに戻ると、ジニはすぐボビー・フィルミーノの下へ向かって言ったんだ。『ボビー、君は毎試合どうやっているんだ?今どれほど難しいか分かった。リスペクトするよとね。』」
この話からも分かる通り、一見足元が上手い、運動量がある選手なら誰でもできそうな役割ですが、現状世界中のフットボーラーを見ても、その役割を完璧にこなせる選手はフィルミーノただ一人。
今シーズンの序盤は、ジョタが代わりをつとめてパフォーマンスも悪くありませんでしたが、その後のフィルミーノを見るとどうしても見劣りしていまいますね。。
この前のマンチェスター・U戦の後も、クロップがフィルミーノについて触れており
「彼が引退した時、偽9番のポジションをどう解釈していたか、本を書くことになるだろう。彼のプレーを見ているとそのように思えるし、我々は彼に感謝したいと思っている。」
と語っており、その存在感の大きさについて感謝しています。
今シーズンのリバプールの好調の理由は、フィルミーノの存在が大きく関係しています。
今は怪我をして復帰は12月以降になりそうですが、早期復帰を願いましょう!!
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